開発ウラ話

カバンの中身PC編

カバンの中身シリーズが出来るまでのこだわり話とうんちく話。

リュックの中身をキッカケに

「リュックの中身」「バッグの中身」を2004年11月に発売しましてから色々お声をいただくようになりました。
2アイテムが実現した様々な考案に触発されたと言うように、「・・・それならこう言うのも欲しい・・・」と言う感じでした。「ひっくり返し構造」への「良い発想だ」というお声も頂きました。
ある方に「リュックの中身」を大変気に入っていただき、タテ型だけでなく同じ考え方のヨコ型も欲しい。あれば買いたいと言われました。このご意見は発売直後からのリクエストとして多数頂戴しておりました。
「リュックの中身」のヨコ型で、もっとPCを意識した物が欲しい。
・・・これを素直に作ろう!と思いました。
『欲しい』と言って頂ける事の有り難さ。手間が掛かるだろうからビー・ナチュラルくらいしかやらないだろうから・・・と言って頂ける事の嬉しさ。
コストや作り方、課題は大きいでしょうが、やろうと決めました。

設計を開始!

世の中の話としては、とても小さな・・・カバンの内装物の開発の話です。『設計などと言うには大げさで・・・』恥ずかしくもあります。大局的に見たら大した事ではないとも思うのですが、弊社にとってはチャレンジで、リスクも大きい大?事件?なのでお許し下さい。2枚のパネルを使用するPCバージョンは、おそらく小売価格も自社最高になるであろう商品でしたから・・・。

パソコンのサイズの調査から始めました。ノートパソコンの各社様のサイズ表を担当がまとめ、検討の開始です。悩んだ末、A4ノートパソコンの大きめの物までを対象にしました。議論は色々ありましたが、大は小を、ある程度兼ねる。・・・からです。逆に言いますとワンサイズでは対応に限界があるのも認めざるを得ない事実でした。(今後、小型版をやる決意も同時に固めたのですが・・・)
マックユーザーの方たちも意識しました。マックのノートは画面が大きいですから・・・。

ベースはリュックの中身だから・・・

サイズを仮決定し、全体を考え、また戻ってサイズも検討し、詳細を考えると言うような、行ったり来たりをしながら、だんだん設計を進めます。少々パズル的です。

もともと「リュックの中身」のヨコ型だから簡単かな・・・。「カバンの中身A4」と「リュックの中身」の合わせ技だからきっと問題は少ない・・。と考えていましたが、進めてみると、悩ましい事が沢山ありました。
競合する商品で値段のお安い物が増えてきていますし、明らかにお値段が高くなる「カバンの中身PC」をやるにあたっては、マネをされたくないと言う身勝手な危機感も出始めていました。商品を守るためには出願している「ひっくり返し構造」を採用するべき・・。万が一、よく似た商品の出てきた時、対抗できるのは自社の権利だから・・・などと考えました。

悩み

『ひっくり返し構造』は悩んだ末、止める事にしました。
2枚のパネルの間隔をパソコンに合わせて自由に変えたい。
ポケットのある面を内・内にしたり、内・外にしたり、外・外にしたり自由に組み替えたい。

社員の「リュックの中身」使用者の声も重要に感じました。
「パネルの裏面がパソコンと擦れるので、傷が付くかもしれないと意外に気になる・・・」
パネルの裏に柔らかいトリコット生地を貼る事にしました。
「競合品への守備!よりお客様の声にこたえること・・・」一度決心してからは『どうせやるなら、全部やろう』と思えてきました。

パネル間の間隔の変更は、テープファスナーを贅沢に大きな幅で使い解決することにし、これを両面に配したら、同時に、自由組み換えができるようになりました。
これは、また新しい構造です。
パソコンへのショックの吸収には、固めの、高密度発泡のスポンジにトリコット生地を貼り、サイズの調整のためには、これをお客様に切って調整頂く事を考えました。
側面の固定は『ひっくり返し構造』の時と同じテープファスナー付きのベルトです。

  パネル間の幅を変えたい。
  パネルの位置を自由に組み替えたい。
  傷を避けたい。
  パネル一枚でも使いたい。
  パソコンを固定したい。

全部に対応!です。おおげさですね・・・。
こうして考えてみたら、競合品への対策に苦慮しているよりも、ずっと魅力的に感じられてきました。全く!!と笑われそうですが、「自分たちの道を行こう」と思いました。
正直に言いますと、安価な商品に負けて「カバンの中身PC」が全然売れなくて、在庫が山になっている悪い夢を何度も見ていますが・・・。

残った課題や商品に込めたメッセージ

製品化段階では、試作に結構苦慮致しました。裏面のトリコットの張力など・・・。新しい事は難しさを伴います。
また、優先順位で諦めた部分もございます。全体のサイズ調整(カットスペース)は自由な組み換えと幅の変更を可能にしたこととの引き換えに、諦めざるを得ませんでした。申し訳ありません。
ポケットの寸法はかなり検討いたしました。上から二段目の深さの浅いポケットは深いフラップでカバーしていますので、取り出し性と保持のバランスを疎外していないと思います。いかがでしょうか?
(二段目のポケットが深いと、一段目のポケットの下部に出し入れする物が引っかかりますから・・。)

品質感もかなり配慮を致しました。生地の変更は重さとのトレードオフ(引き換え)ですが、現在のバランスはいかがでしょうか?
ビー・ナチュラルは今後も開発を続けてまいります。
バージョンアップでお客様の声にお応えしてまいりたいと思っております。
宜しくご愛顧、ご指導のほどお願いいたします。
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