開発ウラ話

カバンの中身プラスチック編

カバンの中身シリーズが出来るまでのこだわり話とうんちく話。

投機マネーの暴挙!

なぜだか…後から考えると理由が分からない?(笑)、原油価格の高騰がありました。

中国の急速な石油消費の拡大が…。ロシアの最近の経済発展が…。色々言っていましたが、全部ウソ?で、結局ただの投機マネーの暴挙だったのでは?という分からない状況で、なにしろ原油価格が高騰して、弊社の商品にも影響が大きく出ました。(エネルギーとか食品とかへの投機は、国際的な取り決めで、犯罪にして欲しいくらいです。)

原材料の化学繊維は、殆どが石油製品なのです。中国や韓国のナイロンの生地がドンドン?値上がりしました。そこに折からの、中国の人件費の高騰がありました…。
カバンの中身シリーズは、これでもか!と作り込んでいて、生産に手間が掛かりすぎていますので(工場が作りたがらないくらい面倒な商品です)コストが高いのです。

設計思想の違い

初めて『カバンの中身』を作った2002年と比較しますと、商品も高度になりましたし、仕様・品質も研究して改良してきていますが、その分、残念な事にダンダンに値上がりしてしまいました。本当に悩みました。良く似た競合品が大手のメーカーさんから出されて、パソコングッズとして?大々的に売られていますし、安価です。

まあ作りも素材も縫製も 『設計思想』 も違いますから、値段の違いには理由もあり、仕方無いのですが、弊社にとって打撃は打撃です。で、弊社から見た「仕様を落とした、安価な、完全なライバル商品」を作って、競合品とガチに戦うか?とも考えましたが、相手は大企業、弊社は零細、資本力、耐久力、営業力、流通支配力、全ての点で負けは明らか…。ですので、弊社はライバル品の隆盛で数が売れなくなっても、機能追及、品質追求でコツコツとお客様の意見を聞いて努力して行くしか無い!!!!!!と思いました。

ですが一方で、カバンの中身は 5,000 円を超える商品になって来ましたので、簡単に、気楽に買うと言うものでは無くなって来ました。エントリーモデルといいますか、安価な商品が必要だと思いました。

発送の転換〜失敗の山

芯地があるようなシッカリした仕様で、ナイロンで作った縫製品では、どうしても値段が安くなりません。
そこで発想を転換した商品を出そうと思ったのです。
低価格な手軽なエントリーモデルの開発が命題でした。
素材はプラスチックに目をつけました。縫製をしないのです・・・縫いません。
プラスチックのパーツ同士を超音波振動させ、接触している面を溶かして接着する方式です。

狙いは…、
1.安くしたい。
1.機能はシッカリ抑えたい。
1.エントリーモデルにしたい。
1.この商品にしか無い良さを追求したい。
でした。
プラスチックの穴あきの板にプチプチとはめ込む
素材はファイルの表紙などに使う、プラスチックの板を使う事にして、設計と試作を始めました。
最初は実は接着でなく、プラモデルの「はめ込み接合」のように、パーツとパーツをプラスチックのピンのようなもので「とめる構造」を企画し、板の上に自由にポケットを組み立てられるように、したものでした。
これはかなり斬新で面白いものでしたが、スペースが問題で、A4のボードの上にポケットが少ししか付けられませんでした。スペース効率が悪いのです。 しかも、この構造は中国での生産が難しく、かといって日本では値段も高くなるのでダメでした。

そこで、中国生産を前提にして、前述の超音波接着の仕様で再設計しました。
ボードに超音波でつけるのも実はかなり難しく仕様は何度も書き直しでした。現在の形は相当の失敗の山の後に掴んだ「やり方」「作り方」でした。
さよならぼつ作品

ようやくできた明るい中身

この商品の居場所は、もともとカバンの中ですから、外からは見えないので、ユーザー様から見えても問題無いですし。かくして、この「カバンの中身プラスチック」は形になってきましたが、色々と諦めたこともあります。
@ユーザーさんが組み立てる
A周囲のサイズ調整用のカットスペース
(A4はギリギリで余裕が無くて無理でした)
などです。
意外に良かったこともあります。パッケージを透明にして、分かりやすいものをご提供できたと思います。
社員で試作品を色々使ってみたら、実は中が見えるのがかなり便利で、…軽さが快適で…カバンの中身はこのプラスチックで充分ではないか…と言うくらいの話になりました。

土台のボードも黒から白に変更しました。だいぶ違って見えます。更に、接着部分が目立たないように、ボードを二枚重ねにして工夫しています。またそうする事によって、土台がしっかりしますので、カバンの中でも立ってくれます。

なにしろ、本当に 軽いしカバンの中が明るい のです。
矢印部分がボツなのです

スタッフ談

この商品は、苦労した商品でした。途中、「これいつ終わるんだろうか・・・」と遠い目をしつつ。工場まで出張してからはだいぶスムーズに進むようにはなりましたが、長かったです。
布製品と違って、角の処理を気にしたり、圧着時の素材の汚れを気にしたりと、普段使わない神経を使いました。
パッケージ印刷にいたっても、色が綺麗に出ずに何度もためし刷りをしました。
兎に角ようやく世に出せて一安心です。
カバンの中に入れて使うという事ももちろんですが、デスク周りの壁に貼り付けて、文具入れに使うのもアリです。
商品が半透明なので、かわいいシールやキラキラシールなどで飾るという手もアリです。是非自由な発想でオリジナルな使い方をあみだしてみて下さい。

■追加ポケットについて
この商品もそもそもお客様の声から始まり作られた商品で、「カスタマイズしたい」という要望にお答えしたものでございます。カバンの中身A4Ver.2.0と、カバンの中身B4Ver.3.0の裏面をズバリ活用できます。
使い方や、商品の特徴などは、How to use に記載しておりますので、ご覧下さいませ。
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